
今月は特殊なアーサナとバンダを学びましょう。
特殊なアーサナとはシンハ・アーサナで、バンダはウディヤーナ・バンダです。
2020年からシンハ・アーサナもウディヤーナ・バンダもスタジオでは全く行ってきませんでした。
これらは双方とも鼻から息を吸って口から一気に息を吐きます。
なのでコロナ渦において大勢の生徒さん達とご一緒に行うことが憚れました。
コロナが五類になって随分時間が経った今、ご理解が得られるのであれば今月はこの二つを行っていきたいと思います。
ホームページやline、スタジオでも告知しましたが、シンハ・アーサナとウディヤーナ・バンダを行う際は、今までのエアードッグによる空気清浄にプラス、スタジオのドアや窓を開けて換気等行います。
それでも不安を感じられる方には11月は動画クラスに変更していただき、なんとかご一緒にこれら二つの行法を習得していただきたいと思っています。
それほどこの二つの行法はヨーガを学ぶ上で大変重要です。
双方とも私たちの心身にもたらす素晴らしい影響は、この二つの行法をしっかりと学び取った後、感じ取れると思います。
まず一生の宝物と言っても過言ではないかと。
では今月も楽しくワクワクしながら学びを進めていきましょう。
シンハ・アーサナ(ライオンのポーズ)
まずシンハ・アーサナは1週目と2週目に行います。
シンハとはライオンを意味します。
このアーサナの最大の特徴は鼻から息を吸って口から一気に息を吐く、というところです。
私たち全員の望みでもあり一木ヨーガの理念でもある「より健康により若々しく美しく」ということを叶えてくれるであろうアーサナの一つがこのシンハ・アーサナです。シンハ・アーサナを行うと、喉の血行が良くなって風邪をひきにくくなり、また咳も軽減されます。さらに顔の血行も良くなり美肌が期待でき、さらに顔の筋肉を動かすことで顔にハリが戻ってきます。
また唾液腺も刺激しますので唾液の出もよくなって、さらに若々しくなります。来年も一年、風邪もひかずにさらに美肌になり、また息を吐く時におもいっきり「ハーッ!」と悩みも吐き出す勢いでシンハ・アーサナを行い、何事にも前向きに生き生きとした日々を過ごしていきたいと思います。
●重要ポイント●舌をできるだけ長く出し、一気に息を力強くを吐く。
方法
- ヴァジュラ・アーサナ(金剛座)で座ります。
- 腰を浮かせてつま先立になり、右かかとを上に足首を交差させ、右のかかとの上に肛門をあてて腰を下ろします。
(連続で行う場合、足首は交差させずつま先立ちになったかかとの上にお尻を乗せて行います) - 両膝を少し開いて両手を膝にあて、腰を前に出し背筋を伸ばします。
- 鼻から息を吸い一気に口から息を吐きます。その時、次の3つの事を同時に行います。
・目を見開き、眉間か鼻先を見る。・口を大きく開け、舌をできるだけ長く顎の方に伸ばす。・手のひらを膝に押し付け、指を広げる。 - 息を吐ききったら顎を引き喉を締めて(ジャーランダラ・バンダ)しばらく保ちます。
- 苦しくなる前に顎を緩め、目と口を閉じてゆっくり鼻から息を吸います。
- 足を入れ替え、同様に反対側も行います。
効果
- 顔の筋肉をしっかり動かすことで顔が引き締まり、ハリが戻ってくることが期待できます。
- 顔の血行が良くなります。
- 唾液腺を刺激し、唾液の出が良くなり口腔ケアに繋がります。
- 喉の血行も良くなり、咳の軽減や風邪もひきにくくなることが期待できます。
- クンダリニーの覚醒に繋がると書かれています。
ウディヤーナ・バンダ
ウディヤーナ・バンダは3週目と4週目に行います。
これはアーサナではなく、バンダという行法です。
バンダとは「縛る」という意味で、身体の一部分を締めてエネルギー(プラーナ・気)を身体に閉じ込め自分のものとし、外に出さないようにする行法です。
今月は三つの重要なバンダの中のウディヤーナ・バンダが正しく行えるようになりましょう。
ウディヤーナとは「天空に駆け上がる」という意味で、腹部臓器を背骨に押し付け、横隔膜を引き上げるようにやってみましょう。
私は毎朝ウディヤーナ・バンダを必ず5回やっています。
私にとってウディヤーナ・バンダは最強のアイテムで、私自身の身体と心に大きな変化をもたらしました。
最後にウディヤーナ・バンダを行ってどんな効果が期待できるかが書いてありますが、実際のところこれ以上の恩恵を受けていると感じています。
皆さんにとっても毎日の習慣となることを切望します。
注意事項
・胃と膀胱にほぼ何もない状態の時に行います。
・循環器と内臓にかなり重い疾患がある方は指導者に相談して行いましょう。
・いま治療中で生理を止めている方は行いません。(生理がある年齢の女性の場合、ウディーヤーナ・バンダを行う事で生理が始まってしまう可能性があります)
●重要ポイント●可能な限り息を吐きだす。
方法
- 両足を肩幅ほどに開いて立ちます。
- 上体を少しかがめ、膝を軽く曲げ、手を膝の少し上あたりにあてます。(この時指先は5本揃えて内側に向けます)
- 息を吸って、その息を急速に吐き出します。(鼻から吸って、鼻から吐きますが、最後は「ハァー」と言って口から一度に吐ききります)
- 吐ききったら息を止め顎を引き喉を締めます。(両手は足に押し付けるように力をかけています)
- 下腹を少しひっこめるようにして腹部臓器を背骨に押しつけ、横隔膜を引き上げます。(息は決して吸わないのですが、腹部臓器を吸い上げるようなつもりで行ってみましょう)
- しばらく保ったのち、吊り上げた内臓や横隔膜を下ろしてから、顎の締めを解いて、静かに息を吸い、腕や肩の力を抜いて全身をリラックスします。
効果
- 胃腸の調子を整え、便秘改善が期待できます。(毎日お通じがある方でも、さらに便と尿の出がよくなります)
- 体幹の一つでもある横隔膜を引き上げ動かす事で、内臓脂肪の軽減が期待できます。
- 自律神経の働きを正常に向かわせます。
- 生理痛・生理不順の改善が期待でき、妊活中の方はぜひ毎朝行いましょう。
- ウエストを引き締め美しいプロポーション作りに役立ちます。
- 全身に活力を与えます。
- 喜怒哀楽に動じない平静心を養います