今月はディヤーナ(瞑想)を学びましょう。
そもそもヨーギー(ヨーガの行者)達がアーサナや呼吸法で身体を整えるのは、何時間でも座って瞑想ができる身体になるためでした。
そしていずれはサマーディ(三昧)の域に達する事を目標として、一生をかけて精進していくのです。
サマーディとは解脱であり悟りを開くとか、仏教でいうところの空や涅槃という境地を指します。
しかし私たちがこの境地にまで達する事は、一生かけても到底行きつけそうにありません。
じゃあ、どうせサマーディまで行きつけないのであればアーサナ(ポーズ)とプラーナヤーマ(呼吸法)だけやればいいか、それでも十分健康になれるしね、ではないのです。
実はアーサナを行っている時も、例えば前屈で身体が硬くて膝の裏に痛みを感じたら、そこに意識を向け集中する心が既に瞑想へのアプローチとなります。
プラーナヤーマも行っている時に、いま息を吸ってる、いま吐いてると意識を身体に向けそこに集中する事で雑念が無くなって同じく瞑想へと繋がっていきます。
えっ、じゃあアーサナとプラーナヤーマを今よりもっと身体に意識を向けて行えばそれでOKですね?でもないのです。
私たちが四原則(ゆっくり動かす、呼吸に合わせて動かす、身体に意識を向けて行う、必ず緩める)をもっと意識して行うことの重要性を示してはいますが、これらはあくまで瞑想へのアプローチであり、繋がっていく入口にすぎないのです。
なので瞑想を(たとえサマーディまで辿り着けなくても)出来れば時間を決めて毎日やってみませんか、とお勧めします。
初めは1分からでもいいのです。時間があってもっと座っていたいと思えば長く座ってみればいい。
無理して10分15分30分と増やしていかなくてもいいです。
自然に長く座れるようになってくるのを楽しみにすればいいのです。
無理なく座ってみる、から始めましょう。
瞑想の重要性は、瞑想を日常の習慣として皆さんが取り入れれば、必ず理解していただけると思います。
瞑想の素晴らしさが、私のプレゼン力のなさで皆さんにちゃんと伝わっていないのが歯がゆくてなりません。
近年、脳科学の世界でヨーガや瞑想を行うことで、脳の学習や記憶をつかさどる海馬が刺激され、記憶力が高められる事が明らかになりました。
同時に海馬はストレスやうつ病、認知症などで委縮することもわかっています。
しかし海馬の神経細胞はヨーガや瞑想で再生することがわかってきたのです(他にもストレスのない楽しい生活や新しい事への挑戦。DHAやEPAを含んだ食べ物の摂取でも再生することがわかってきました)。
また私が免疫力アップの講座を受けた際にも、長年免疫の研究に携わってらっしゃるドクターが「瞑想は皆さんが思っている以上に免疫力を上げますよ」と仰ってました。
その解説として、ストレスは免疫力を下げます、瞑想はストレスを解消します。なので瞑想は免疫力を上げてくれるのです。という事でした。
実にシンプルです。
私はヨーガのおかげで今の健康な身体になれたと思っています。でも、もしかしたら今の医学の力でも同じように健康になれたかもしれません。
しかし間違いなく言えることは、もし私がヨーガと出会わなかったら、こんなに自分の身体と心に向き合う時間を持つことはなかったという事です。
皆さん、ご自身の身体と心にもっと向き合ってみませんか。
素晴らしい未来が待っていますよ。
瞑想は、空想・妄想以外のテーマで行う。
方法
- 楽な座法で座ります。
- 目は軽く閉じて、親指と人差し指で輪を作り(チンムドラー【智恵の印】)、手のひらを天井に向け膝の上に置きます。
- 背筋をまっすぐに伸ばし肩の力は抜いて、軽く顎を引きうなじを伸ばします。
- 鼻からの静かな呼吸で、しばらく自分の決めたテーマで座ります。
効果
- ストレスが解消されます。
- 集中力・判断力がアップします。
- 脳内の組織である海馬を刺激し、記憶力アップが期待できます。
- 自律神経が整って、心身ともにもっと快適に過ごせるようになります。
- うつ病の改善・認知症の予防が期待できます。
- 幸福感が増し、前向きに生き生きとした生活が送れるようになります。