3月のテーマはパシチマ系(背面を伸ばす)を学ぶ、です。
ヨーガでは身体の背面をパシチマ(西)、そして身体の前面をプールヴァ(東)としています。
ですから背面を伸ばす前屈のアーサナはパシチマ系となります。
身体の背面とは、頭頂から背中を通って脚の裏側ふくらはぎを経て、踵から足のつま先までを指します。
身体が大変硬かった私にとって、前屈は何よりも苦手なアーサナでした。出来れば避けて通りたい。
しかし、ヨーガのアーサナの中でもパシチマ系のアーサナはとても重要度が高く、特にパシチモターナ・アーサナは全ての内臓機能の改善が期待できる、ということで一木ヨーガでは毎回必ず行うアーサナとなっています。
ハタ・ヨーガ・プラディーピカー(ハタ・ヨーガの経典)には、パシチモターナ・アーサナについて「これはアーサナの中で最上のものであって、人々を無病にする」とも書かれていて、これを無視するわけにはいきません。
前屈が苦手な方はたくさんいらっしゃいますが、私は誰よりもその方々の気持ちがよくわかります。 しかし自分にとって苦手なアーサナは必ず必要なアーサナでもあるのです。
さらに健康になるため、そして苦手克服のためにも今月はパシチマ系に重きを置いてやっていきましょう。
無理なく怪我のないよう十分に身体に注目しながら行います。
イライラする・寝られないなど精神的に不安定な時や、 ストレスから解放されたい方にもパシチモターナ・アーサナはおススメです。
膝の裏をしっかり伸ばす。
パシチモターナ・アーサナ
「パシチマ(西)ウッターナ(強く引き伸ばす)」
方法
- 両足を伸ばして座ります。
- 両膝の裏をしっかり伸ばしたまま、足の親指を無理なく持てれば、 右足の親指を右手の人差し指と中指で、左足の親指を左手の人差し指と中指で持ちます。(足の親指を持つと膝がまがるようであれば、手は足首でも向こうずねでもどこでも膝の裏をしっかり伸ばして無理なく持てるところを持ちます)
- さらに腰に不安がある方は足を少し開きます。
- 息を吐きながら背中を丸く、おへそを見るようにして、腰を後ろに引きます。
- 息を吸いながら腰を前に出し、腰の下の方からしっかり反っていきます(顔を上げて首の前を伸ばし、目は天井を見るようにします)。
- 反りを保ったまま、息を吐きながらお腹から足に近づけるように上体を倒して行きます。
- さらに吸う息で背中を伸ばし、吐く息で伸びた上半身を足に近づけるようにしてしばらく保ちます。
- 保っている時に、足首を立てて足先を引き寄せ、踵を押し出して膝の裏をマットに近づけます。
- しばらく保った後、息を吸いながらゆっくり頭から起こしていき、初めの姿勢に戻ります。
効果
- 腹腔内のすべての臓器(肝臓・腎臓・胃・腸・膀胱なと)の働きを良くします。
- 生命力を高め、生殖腺に活力を与え妊活中の方にもお勧めです。
- 慢性の便秘を改善します。
- 膀胱の働きを良くして、尿の出もよくなり膀胱炎の改善が期待できます。
- 膝裏をしっかり伸ばすことで、膝の痛みの改善が期待できます。
- 疲れを取り、疲れにくい丈夫な身体になっていきます。
- 全ての前屈系アーサナは心を静める働きがあり、精神的にも安定してきます。