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2024年8月 ヴィパリータ系を学ぶ

今月はヴィパリータ系(逆転系)のアーサナを学びます。

 ヴィパリータ系は、足を天井の方に上げるアーサナと、頭を床の方に下げるアーサナの2種類があります。
私たちは通常、横になっている時以外足先が床にある生活をしています。
その日常生活によって内臓が下垂ぎみになったり、また5キロほどある頭部を支えることで椎骨に負担がかかり、首の不調や腰痛を引き起こす事もあります。
日常生活で当たり前になっている姿勢から起こる不調を、ヴィパリータ系のアーサナで改善していきましょう。

足先を天井に向け、下垂しがちな内臓を本来あるべき位置に戻します。また頭を床に向け、頭の重みで自然に椎骨を伸ばし頸椎・胸椎・腰椎等の不具合や負担も軽減させて椎骨の疲れをとっていきます。
更にヴィパリータ・カラニー(逆転のポーズ)をじっくり長くやっていると、動きを捉えやすい内臓である胃や腸が、ゆっくりと動いてきてガス抜きのポーズのように自然にガスがでたり、 胃のもたれが改善したりと心地よい反応を感じる事もあります。

逆転系のアーサナは足を天井の方に上げても、頭を床の方に下げてもどちらも頭部に十分な血液を送り込みますので、頭の働きも良くなり鼻の通りなども整ってきます。

特に頭を床の方に下げる逆転系では緊張性の頭痛や片頭痛の改善も期待出来ます。

ハタ・ヨーガ・プラディーピカー(ハタ・ヨーガの根本経典)にはヴィパリータ・カラニーを毎日1ヤーマ(3時間)行うと死も克服する、と書かれています。 3時間は出来ないとしても無理のない程度に出来るだけ長く保つようにしましょう。


今月は腰に不安のある方も少しでも改善してきてるようなら、膝を曲げてのヴィパリータ・カラニーを慎重に行ってみませんか。 あくまで無理のないように、ご自分の身体に意識を向けて行ってみましょう。



腰に不安がある方は、足を上げる時も下げる時も必ず膝を曲げて行う。

ヴィパリータ・カラニー

方法

  1. 仰向けで、両手は手のひらを床に体側に真っ直ぐ伸ばし、両足も揃えて伸ばしておきます (腰に不安のある方は膝を曲げて足の裏を床に着けておきます)。
  2. 息を吸いながら両足をゆっくり床と直角になるところまで上げていきます。
  3. 息を吐きながらお尻・腰・背中と上げていき、両手を腰に当て、さらに足先を頭の上の床に近づけハラ・アーサナ(鋤のポーズ)になります。
  4. 両足先が無理なく床に着いた方は、両手を組んで肩を引きよせ、腕を床に伸ばします。
  5. 両手を腰に戻し、息を吸いながら足の親指が自分の目と天井の間に来るように(横からみると「く」の字になるよう)ゆっくり上げていき、 しばらく静かな呼吸で保ちます。(胸椎が十分に反り、肘が内に入ってくるようになったら写真2のように保ってみましょう)
  6. しばらく保ったのち、息を吐きながら両足を頭の上の床に戻し(ハラ・アーサナ)、手のひらを床に両腕は伸ばし、息を吸いながら背中・腰・お尻と順番に床に戻します (お尻が床に着く時に出来るだけ頭を上げないようにします)。
  7. お尻が床に着いて両足が床と直角になったら、息を吐きながら両足を出来るだけゆっくりと床に下ろしていきます(腰の悪い方は膝を曲げて足の裏を床につけてから両足を伸ばします)。

効果

  • 1. 胃腸の働きが良くなる事で、胃のつかえが楽になったり便秘改善なども期待出来ます。
  • 2. 下垂しがちな内臓を本来ある位置に戻してくれます。
  • 3. 老化へと向かう速度を遅らせ、全ての臓器の機能を高めます。
  • 4. 頭部に十分な血液を供給し頭脳を明晰にします。