お好きなルートをお選びください。

ヨーガコラム

私が大学を卒業した当時、佐保田先生は京都の本能寺会館という所でヨーガの指導をされてました。

毎週(確か金曜日だったと思います)30~40名ほどが集まって佐保田先生からアーサナの指導やヨーガのお話しを聞くのです。
終わるといつも数名の方がすぐに佐保田先生の元に行かれます。
そしていろいろ質問をするんです。

私は何か質問がある時は常に1番最後になるように並んで、先生に質問するようにしてました。
それは私の質問があまりに稚拙で恥ずかしいような気がして、でも教えてほしいと思っていたので、他の人には聞かれないよう最後に並んでました。

佐保田先生はどんな質問にも必ずちゃんと答えてくださいました。
多分一番初めに先生に質問した事は、どのアーサナをやったら、私の身体の不調が治りますか?
だったと思います。

列に並んでいると、他の方の質問が嫌でも耳に入ってきます。
中にはとても重篤な症状のご家族に関してなどがあり、お一人5分でも10人並んでいたら私の番にくるのに30分近くかかります。

そして私の番に来た時には、なんだか私のいろんな症状なんか、別に大したことないし、聞くのも恥ずかしいような感じになってきて、
具体的に病気の名前は出さず
「先生、体調が良くないんですが、なにをやればいいですか?」と聞きました。
佐保田先生は一言
「あなたが一番嫌だなぁと思うアーサナをおやりなさい」とおっしゃいました。
まぁ、実際には先生は関西弁で
「あーたが、一番イヤやなぁと思うアーサナをやったらええ」
とおっしゃったように覚えてます。

すぐ、私の頭の中に
「パシチモッターナ アーサナ」(今月のテーマのアーサナです)が浮かび、
「ありがとうございます。やってみます」と答えました。

身体が非常に硬くて、両足を前に伸ばして座る事自体が、もはや苦痛以外のなにものでもなかったので、パシチモは大嫌いでした。

佐保田先生が
「では、両足を伸ばして…」と言われた瞬間
あっ、あいつだ。
あの前屈だ。
「先生、ワタクシは今日はもうここで失礼します」と言って退室。

できたらどれほどいいか、とよく思ったものでした。

ヨーガに上手い下手はないし、他人と比べない、と常に言ってますが、当時の私は自分の身体があまりに硬くて、他の人と動きが全然違って恥ずかしいのと動かすことが痛くて辛いので、前屈が特に嫌でした。

両足を伸ばして座り、足の親指を持つことなんかとても出来ない。

やぁ〜参ったなぁ
こんなに自分の身体が硬かったなんて…
まず今世紀中に(当時1970年代)私が足の親指を持つ事はないよね〜

でもそんな私が5年ほど後にはヨーガを指導する立場になってました。
自分でも本当にびっくりです。

いま指導する立場で、私がみなさんからいろいろな質問を受けるようになって、当時の私と同じ質問を生徒さんからされたら、私は次のように答えています。
「あなたが一番好きなアーサナをやってみてください」

尊敬してやまない佐保田先生とは真逆の答えです。
先生に盾ついてるわけではないです。

なりたい自分を決めていて、そうなる事が山の頂上に立つことであるなら、ルートはいろいろあります。

佐保田先生が私に教えてくださったルートは、私にとって大変厳しく、登山で言えばオーバーハングがあるようなルートだったかもしれません。

私がみなさんに言っているルートは、かなりなだらかなコースで、
「空気が変わってきたね」とか
「可愛いお花がさいてるね」などと少し余裕を持って登れるルートかな、と思います。

私のルートは時間がかかるかも。
佐保田先生のルートは最短で頂上に立てるルートかもしれません。

でも、いずれにしても頂上に立つ事を決めていれば、必ず行き着くのです。

みなさんはどのルートを選びますか?

なりたい自分になる事を決めて、そこを山の頂上として、そこに行き着く道を歩んでいきましょう。

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