【ヨーガコラム】瞑想(母の逆襲)

ヨーガの行法体系では、瞑想はプラティアハーラ(制感)から始まります。
プラティアハーラとは全ての穴を閉じて内に向かう、とされていています。

どういう事?
つまり、私たちの身体の穴は全て外に向かって作られていて、それを閉じて内に向かえ、と説いているのです。

まだ分かりづらいですよね。

例えば瞑想をしている。
そばで誰かが何かを割った音がする。
するとその音で、瞑想が中断されるので、全て(耳の穴も)の穴を閉じて内に向いなさい、という事です。
この場合、音は耳に飛び込んでくるのではなく、全ての穴は外に向かって作られてるので、耳から自分の意識がその音に向かって飛び出すのだよって言ってるんです。

え〜っ!無理じゃん。
耳を手で塞いでも、音聞こえるし。
スタジオで瞑想していても、
はい、いま電車が通りました〜ってなるし。

そうなんですよね…
瞑想はまずプラティアハーラから始まり、最終的にサマーディ(解脱、悟り)となるんですが…
もの凄く長い道のりです。
そのまず一歩「全ての穴を閉じて内に向かう」がもはやめっちゃ難しい…

「古い記憶を探る」のテーマで瞑想をしていて、思い出しました。

私が小学校高学年になった頃から、あんなに何でも言うことを聞いてくれてた母が、急に私に怒り出すようになります。
私に非があったんだとは思うんですが、時々激怒するんですね…

小学校から帰って、週間少年マンガと少女マンガの発売日は、ずっと家の居間でゴロゴロとマンガを読んでいました。
冬はコタツで、夏は扇風機に当たりながら…至福の時です。

ホント、マンガ大好きなんです。
中学になると「明日のジョー」の連載が始まり、姉、兄が読み終わるのをまだかまだかと待って、やっと自分の番になって、夢中で読んでいました。

ある日、ふと気がつくと目の前に母が立っていて、鬼のように怒っていて
「返事ぐらいしなさい!」
と言ってます。

えっ!どうした?
何があった?

「さっきから、おつかい行ってって何度も言うてるやろ。
聞こえてるのに返事もしいひん。
腹立つ!!!」

全く聴こえてないし。

台所から「おつかい行って」と言い始めて、全く返事をしない私にイライラしながら近づいてきて、最後に私の目の前で猛烈に怒りだしたと想像できます。

でも、、、全く聴こえてないし。

もちろん、馬鹿でかい家ではないです。
普通なら台所から何か言ったら、居間にいる私には当然聞こえます。

私は涙目で
「ごめん、ホンマに聞こえへんかってん。おつかい行ってくる。けど私が行ってる間にマンガをお兄ちゃんが持っていかはりそうになったら、ふさえがまだ読んでる途中や、って言うてや。
絶対に言うてね」

何回かこんな事があったように思います。

その後
母も、マンガを読んでる私には
「おつかいに行きたないのはわかるけど、聞こえてんのに聞こえへんふりして、無視するのはやめなさい!」
と、怒るようになります。
いやいや、やっぱりマンガ熟読中は聞こえてないし。

ある日
「なんで、私ばっかりおつかいに行かなアカンの?
お兄ちゃんやお姉ちゃんにも言うてぇな」
と言った事がありました。
「2人とも自分の部屋で勉強したはる。あんたはここでゴロゴロマンガ読んでるだけやん」

はぁ?
2人は今まで居間でゴロゴロマンガ読んでて、終わったし自分たちの部屋に行ってるけど、そもそも部屋で勉強したはるかどうか、そんなんわからへんやん!とは思っただけで母には言えませんでした。

そうなんです。
マンガに夢中になっていた当時の私は、なんとプラティアハーラに入ってたんです!

スゴイです!
ホント、すごくないですか。

でもみなさんの記憶の中にも、そういえば同じような経験があった…って思ってる方いらっしゃいませんか。

そうなんです。
瞑想に夢中になればいいだけなんです。

どうでしょうか、みなさん。
少し瞑想が面白くなってきてませんか?

つづく

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