花粉症の方は、毎年2月頃からくしゃみ・鼻水・鼻詰まり・目や皮膚の痒みなどに悩まされます。
せっかく寒くて厳しい時期を過ぎて陽気はポカポカ、気分もワクワクしてくる時期なのに、外に出るのが怖くなってしまいますね。花粉症のメカニズムと根本的に改善するにはどうすれば良いのでしょうか。
花粉症を改善するために知るべきメカニズム
有害な異物をやっつける白血球
花粉症とは、スギなどの花粉やホコリが原因となって鼻水やかゆみなどのアレルギー反応を起こす過剰な免疫反応のことです。
私たちの体は、ウイルスなどの異物が体に侵入してきた際に体を守る働きが備わっていて、その働きのことを免疫力といいます。この免疫力とはイコール白血球の働きです。
本来免疫力は体内に有害な異物が入ってきたと白血球が判断し攻撃して私たちの体を守ってくれるありがたい機能です。
白血球を正常に働かせる自律神経
そして、白血球が正常に働くように指示しているのが自律神経です。自律神経とは自律して働く神経のことで、自分の意思とは無関係に内臓や器官の機能を調整してくれています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、互いに相反する作用を持ち、体を調整しています。
交感神経は、「昼の神経」と呼ばれ、起きているとき、活発な活動をしているとき、また、緊張したり興奮状態にあるときに働く神経です。全身の活動力を高めるために、血圧や血糖を上げたり、血液を筋肉や脳に集める働きがあります。
ストレスがたまったり過度な緊張が続き、交感神経が優位な状態が長く続くと、白血球の中の顆粒球が必要以上に増えて体の中の大切な細胞まで壊してしまいます。それによって、免疫の働きが悪くなり体の免疫力は下がってしまいます。つまり、交感神経が優位なときは、体の免疫力は下がります。
一方、副交感神経は、「夜の神経」と呼ばれ、眠っているとき、リラックスしているとき、活動が少ないときに働く神経です。心拍数や血圧を下げる、胃液や唾液の分泌を高め、消化を促進するなど心身ともに休息にふさわしい状態をつくります。
副交感神経が優位なときは、体の免疫力は上がります。
しかし、副交感神経が優位な状態が長く続くと、白血球のなかのリンパ球が過剰に分泌されてしまいます。そうなると免疫が過剰になってしまい、本来攻撃する必要のない花粉などの異物を攻撃してしまいます。これが花粉症のアレルギー反応です。
自律神経のバランスをとることが大切
花粉症などのアレルギー症状が過多に出る原因は、副交感神経が優位な状態が続いているということが考えられます。アレルギーの原因物質をなるべく排除するのはもちろん、交感神経を優位に働かせながら副交感神経とのバランスを保つことが、花粉症を根本から改善する方法と考えられます。
花粉症を改善するための生活習慣と食事
食事の心得
花粉症改善に効果が期待されている食品に、甜茶とヨーグルトが挙げられます。
甜茶に含まれる甜茶ポリフェノールはアレルギー症状を抑える効果があるといわれています。
また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は花粉症の症状を引き起こすタンパク質の生産抑制効果があります。さらに、乳酸菌により腸内細菌が変化して、腸内環境が整うという効果も期待されています。
とはいっても花粉症の改善に効果的と言われている食品を摂るだけでなく、栄養バランスのとれた適度な量の食事を摂ることがいちばん大切です。
生活習慣
食事の他に、花粉症を改善するには適度な運動と休養も必要です。過度な飲酒や食べすぎは胃腸に負担をかけ、かえって体調不良を招き、結果として花粉症が悪化するリスクがあります。
また、水分の取り過ぎも胃に水が溜まり、鼻水が増えますので特に花粉症の方は気をつけましょう。
根本から花粉症を改善する方法
自律神経を整えるのに効果的なのはヨガ
花粉症には自律神経が深い関わりがあることをお伝えしましたが、生活習慣や食事以外で改善のためにオススメなのはヨガです。
自律神経は無意識に働いていますので、自分で意識してコントロールすることは基本的にはできません。しかし、唯一呼吸でコントロールすることができます。
深くゆっくりとした呼吸は副交感神経の働きを高めますし、浅くて早い呼吸は交感神経の働きを高めます。また、吐く息は副交感神経を、吸う息は交感神経を刺激します。
そして、ヨガでは必ず呼吸法を行いますので、上記のような自律神経のコントロールを行うことができます。
また、ヨガのようにゆっくりした動きを呼吸に合わせて行ったり、緊張と弛緩を繰り返すことでも自律神経の働きを正常にすることができます。
さらに瞑想で身体のみならず心の緊張もほぐして心の安定と安らぎを得られ、自律神経を整えるだけでなく高いリラックス効果が期待できます。
ヨガを行うことにより自律神経が整い花粉症などのアレルギー症状が緩和され、いずれは完治させることも可能なのです。
オススメのヨガ
さて、ヨガといっても色々なヨガがありますね。その中でもオススメのヨガはどんなものでしょうか。
まず、ヨガのアーサナ(体操)のみでなく呼吸法、瞑想も行うヨガであることが必須です。ヨガではこの3つは三位一体と言われています。この3つが揃うことで自律神経を効率良く整えることができます。
ホットヨガではアーサナのみ行うところが多いですし、サウナのような環境ですから呼吸法も瞑想も行うことは難しいです。
また、激しいパワーヨガなどはキツ過ぎてついていけないかもしれません。あまり激しいと逆に交感神経ばかり興奮してしまうこともあります。
自律神経を整えて花粉症を改善するためには、基本のハタヨガで、常温でゆったりとアーサナ・呼吸法・瞑想を行えるスタジオがオススメです。
その他の効果
花粉症改善に効果抜群のヨガですが、その他にもたくさん嬉しい効果があります。
・高いリラックス効果によるうつ症状の改善
・姿勢の改善
・幸福感・思考力・集中力アップ
・肺活量と呼吸量の増大
・肥満改善
・ストレスに対する抵抗力増加
・コレステロールと血糖値の低下
花粉症を改善するためにはもちろん、心身を整えるためにヨガはオススメです。このように、薬に頼らずに自力で花粉症を改善する方法はあります。時間はかかっても諦めないで行動すれば、結果は必ずついてきます。
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